三重染色

はじめに

我が研究室での最近の染色方法として主流なのは、一次抗体にウサギとマウスの抗体を用いた二重染色である。GFPを染色するα-GFP抗体には、このウサギとマウスの二種類有る。
原因が不明なのだが、α-GFPマウス抗体を用いて染色した時にGFPの染まりが圧倒的に悪い。
もう一方のα-GFPウサギ抗体では、きちんと染色される。
もちろん、α-GFPマウス抗体を用いないで一生を過せるというのであるなら、そのような人生を過したい。
当たり前ではあるが、貧乏な我が研究室が不必要なものを購入しているはずが無い。
FRUタンパクを染色するα-FRU抗体には、ウサギを媒体にした抗体しか無い。
つまり、GFPとFRUタンパクを二重染色したい場合、α-GFPウサギ抗体とα-FRUウサギ抗体を同時に使えないのである。なぜなら、二次抗体にウサギ抗体に付くα-ウサギIgGを用いてるから、GFPとFRUタンパクを同じ色にしか染色できないからである。

α-GFPマウス抗体

この抗体を用いて、GFPとFRUタンパクを二重染色してきたが、今回から用いる事になった系統をα-GFPマウス抗体で染色すると、以前にも増して、GFP(神経細胞)がぼやけてしか見えない。
ちなみに、α-GFPウサギ抗体を用いると、クリアにGFPを観察することが出来た。
これでは、GFPとFRUタンパクの発現の様子を見ることが出来ない。

そこで

教官から、一度、α-FRUウサギ抗体→α-ウサギIgGで染色し、その後、α-GFPウサギ抗体→α-ウサギIgG(染色される色の違う)で染色する方法を提案される。
以前、蛍光染色を使っていない時に、このような染色方法を試してみたが、失敗したと言う話を以前聞いたことがあった。
その為、成功する可能性は低いがこの染色方法を行ってみることにする。
本来の染色では、2日かかってやっと染色がされる。
しかし、この方法では3日もかかってしまうので、かなり面倒な作業である。
ちなみに、タイトルにした三重染色。どうせなので、α-nc82マウス抗体を用いたら面白い写真が採れるかもねと唆されて三重染色にしてみました。

結果

以外にクリアにGFP・FRU・nc82が染色されて教官と一緒に驚いていました。

後輩へ

残念なことにこれからの染色として三重染色が主流になる日が来るかもしれません。新しい抗体を買っていただくことは無いと思うので、約3日かかるこの染色方法を頑張ってやっていきましょう…。